三間石山巨石遺構が登場する文献



     
     
三間石山巨石遺構(夫婦岩)周辺の航空写真      神感寺跡より夫婦岩を遠望-昭和39年



近年の文献資料ですが、三間石山巨石遺構(通称夫婦岩)に関する資料を紹介します。
この資料は古くからお世話になっている「高安城を探る会」の会報に紹介されたもので、昭和のはじめ頃までこの巨石は「天狗岩」と呼ばれていたことが分かります。
立石の巨石2に横長の巨石1がくっついて長い鼻の様に見えたのでしょう。
また、現在周囲の木々は鬱蒼としていて、岩は隠れ岩のようになっていますが、私の見た昭和39年当時神感寺跡の発掘現場からは「坊主石」又は「傍示石」と呼ぶ石だといわれ、古代神感寺の寺域を限る傍示の石かもしれない二つの不思議な巨石が、はるか鳴川峠の南に石舞台古墳の天井石のようにはっきり見る事ができました。
もちろん、この文献の記述にも「岩の所から見渡す大和平野の眺めはよい」と記されています。



 天明山 (460m)

「鳴川峠から450mの頭まではかなり急な登りとなる。
谷の窪を隔てゝ向ふの山の鼻に天狗岩を見る。牡丹餅を二つ並べたやうな形だ。尾根を半圓に廻って岩の下に出る、大和平野を見渡す眺めはよい。460mの高臺を少し下ると天明山本部の社屋があり、こゝに湧く金明水の接待に預れるこの教會は神道を奉ずるものらしい。
天明山を過ぎると美しい笹山の尾根にかゝる。460mと十三峠とのほぼ中ほどに大和櫟原から河内高安へ越す峠がある。
地圖では無名となっているが、日本山岳史に「三間石山(別稱河内越)平群櫟原ヨリ二十町ニシテソノ山頂ニ達ス」とあるのは多分これらしい。
この峠を過ぎると路傍に銚子ヶ池と、池畔中腹に飛鳥神社の小祠を見る。飛鳥姫といふ女性が蛇體となって入水自殺を遂げた傳説つきのもの。 」
と記されています。

 『近畿の山と谷』 昭和11年 住友山岳会著 明文堂出版より

       
                  鐘の鳴る丘の南側にある銚子ヶ池