生駒山北嶺の饒速日山=草香山はこの辺り ? 


      

 
生駒山北嶺に饒速日山が

生駒山の北嶺、信貴生駒スカイラインの灯籠ゲート近くの(伝)日下直越道から生駒山北嶺に林立するアンテナ群と手前に広がる谷間を望む。
道は分岐して南へ、この谷合の左に沿って谷奥から左の稜線へ上がり、縦走路と交差する広い平坦地に「北嶺の巨石遺構」が存在し、周辺が饒速日山=草香山と呼ばれた所だったようです。
『住吉大社神代記』の「膽駒神南備山本記」に、四至の北限として登場する「饒速日山」は神南備山の北限とするにはあまりにも近すぎるような気がするが。



 生駒山北嶺上の巨石遺構 

      

生駒山の分水嶺を南北に通じる生駒縦走路と西側日下方面から上ってくる伝日下直越道との合流ポイントは「灯籠ゲート」と呼ばれ、すぐ東側を縦走路に沿うように信貴生駒スカイラインが走っています。
縦走路を少し南に行くと稜線沿いには巨岩の露頭が点在し、一きわ高いこの山塊は、戦前には「哮ヶ峯」と呼ばれており、注連縄の掛けられた巨岩を西側から行者の拝む姿がみられたといいます。
さらに縦走路を少し南に行くと、左下に宝山寺と山上への分岐路(料金所)が見え、ここから少し登って行くと平坦な所へ出てくる。
すぐ下にはスカイラインが見え、その間にある広い平坦な部分には、板状の石を立てるほか、風化して丸くなった転石状のものや割石状の巨岩が重なって高さ約4m、南北約8mほどの規模の巨石群を構成していて、会員から聞いていたとおりでした。
巨石群周りから東下道路部分は若干削り取られたためか、斜面下の余地には小型の石が散在していました。
巨石の重なり具合あるいは、縦位に組んだ石などの状況から、これまた人工の石造物と考えられ、新たな発見となりました。
所在地は、西側の谷沿いに上がってくる古い直越道が宝山寺の方へ山越えする位置にあたっており、日下直越道・哮ヶ峯、あるいは饒速日山(位置は不明)、あるいは南方の三間石山巨石遺構に相対する北側の結界を表す石であるのか、物部伝承と関わる今後の大きな検討課題です。




 生駒山北嶺の哮ヶ峯


      

生駒縦走路と大阪側西山麓から上がってくる伝日下直越道の合流点の少し南側に位置する「哮ヶ峯」と呼ばれた山。西側の谷部分、国見山近くから撮影。



          いこまかんなびの杜