生 駒 山 中 に は 巨 岩 と 岩 場 が い っ ぱ い 



 
    
中央の高い鉄塔の背後が岩滝山・キノキ山-左の谷は六万寺谷〜鳴川谷(地蔵谷)




 生駒山中には巨岩と岩場がいっぱい

生駒山中では、大体標高300〜350m附近にゴツゴツとした岩盤が露出していることが多いようです。
例えば日下山周辺、瓢箪山の南方、往生院の裏山にある岩滝山行場跡周辺や、少し南側の尾根の突端のキノキ山(以上東大阪市)、生駒山頂の東側谷奥の薬師の滝〜生駒北嶺の生駒山麓公園北側
(生駒市〜四條畷市)、高安山の北のおと越道の谷間(八尾市)など、あちこちで岩場にそう遇します。
こうした岩場では、巨大な人工の石積・石垣のように見えるところが多く、まるで城郭の石垣のように見える所もありますが、残念ながら人工的あるいはそうでは無い所が多いのです。
ただし、そうした場所は修験者の格好の行場となっていました。谷間には、龍神をまつる瀧行場・道場が多数あるのが生駒山の特徴のようです。
(2005.8.1)



 
例 1 キノキ山(鬼ノ城山)の奇岩石  -東大阪市六万寺町-

    
     キノキ山遠望(高安方面より)          キノキ山の周辺マップ

「いこまかんなびの杜」で紹介している「三間石山巨石遺構」の西側山腹、東大阪市野外活動センター「自由の森なるかわ」の少し南と西麓の六万寺往生院をほぼ結ぶ尾根筋にキノキ山という山があり、この山は以前「鬼ノ城山」と書かれていたといわれ、すぐ下には高さ6mほどの切り立った巨石が存在しているとの情報を平山さんからいただきました。
送っていただいた写真を見ると下部は自然石の露頭?、上部は角石を積み上げたようにも見えることから、人工物では?とわくわくしながら、同行案内いただいて探索しました 
(04.3.15)
キノキ山は、鳴川峠の南方、東大阪市立野外活動センターを下ると府民の森の管理道にでますが、ここから六万寺池を過ぎるとトンネルがあり、右手からトンネルの上の尾根道に上がり、尾根を下っていきます。
途中、中世の掘割り?を過ぎて尾根突端を下って行けば見つけられるでしょう。ただし、下りは急でバックした方がよさそうです。平山さんご案内ありがとうございました。

       
       
尾根の突端を少し下ると石積された城壁の様な巨岩が切り立つ
             (左=西北から、右は北から)高さ約7m

         
    
        岩の中に堅くて丸い花崗岩を孕んでいる
             -今にも生まれそう-右上の写真の下部



 
例 2 岩滝山の行場跡  (キノキ山の北側尾根筋-東大阪市六万寺町)

    

往生院金堂跡(府史跡)の背後の岩滝山中にあります。
ここへ行くには、大阪府立東大阪養護老人ホーム東側から六万寺谷道を登り、谷奥手前で南に分岐して尾根筋に回る踏みわけ道を行けば行場があります。道は分りにくく、行場からさらに南の方へ続きます。
行場の巨大な岩盤の斜面は、まるでコンクリートの様に平らで不思議な所です。偽木の道から鎹状の鉄階(いつごろのものか不明)が打ち込まれています。
上がった上部の奥には、さらに岩塊の露頭が続きます。尾根づたいに修験者の行場コースが存在したのでしょう




 
例 3 高安「おと越」道の重箱石・門石? (八尾市神立)

   


             

高安の嶺を越える道の一つ「おと越」道の谷奥に、通称「重箱石」上方に「門石」と呼ばれる石があります。
ここへ行くには、十三峠から信貴生駒スカイラインを南へ行き、路側にある二つ目の休憩スペースを過ぎた所の谷筋を降りていく方がよさそうです。ガードレールがあるので分かりづらいです。谷筋を下ると道はどんどん分りにくくなりますので御注意を。
掲載した写真では分かりずらいですが、谷の北面に人工的な石垣がされたように見える岩の露頭が重箱石と云われるもので、一見城郭の石垣の様に見えること、さらに上方の門石(上の右-岩盤と転石両方に柱座らしい凹み面が作られているように云われる)とあわせ、高安山に築かれた「高安城」との関連で注目されていますが、見た限りではここの岩はすべて自然の為せるわざとしておきましょう。



 例 4 生駒北嶺の採石場  (生駒市俵口・四條畷市南田原・同市上田原が混じり合う複雑な所)

生駒北嶺にある生駒山麓公園の動々池の北西にある岩場、いつの頃かの採石場のようです。奥の方から割り採られた大きな割石が多数残っています。一皮めくれば生駒山は岩石ばっかりですね。
ここは生駒山北嶺、この山嶺に源を発する天の川=磐船峡=磐船神社=哮ケ峰などの源流域で、不思議な場所です。

     
           生駒北嶺の採石場?-割石にはクサビ痕が残るものがある


         いこまかんなびの杜